夏の休暇に帰郷すると、この季節、お盆の文化に触れることになる。
猛暑の途中で供えるお花を買い、お墓への道を歩くと、この辺で花火をした子供の頃の記憶がよみがえってくる。
今日は広尾の兄の名代だから、まずお盆のご挨拶をしょうと、本堂脇の玄関のチャイムを押すと、畳に手をついて、伝統的なご挨拶をするご婦人が現れた。
「○○家の○女でございます」と言うと、そのご婦人も「長男の嫁でございます。」と所作が絵になっている。羽田で買ったおみやげのお菓子やお布施を丁重にお渡し、掃除道具をお借りして、今度はお墓に向かう。
実家の先祖の霊におことわりをして、掃除をさせていただき、お花を活けると、なつかしい気分とルーツに触れた感覚が、ここちよいおちつきをもたらしてくれた。
その気分を味わいながら、本堂に上がると誰もいない静寂があった。
そう。これがお盆の文化なのだ。
実家の納骨堂にもおまいりして、先祖の皆さまにもご挨拶をする。
実家の家紋は武田菱(たけだびし)
本堂に戻って静寂を味わっていると、御住職がお経をあげはじめられた。
すると私にも御住職の奥様がこのようなお経の本をお渡しくださったので、中を開けてみたら、漢文のようなお経が書いてあった。
「○○さんもお焼香ください。」とお声をかけてくださったので、皆の真似をしてお焼香をしてお参りをさせていただいた。
その後御住職の奥様に、お寺に嫁いだ人生についていろいろ質問をさせていただき、楽しい会話の時間がもてた。
お寺に来て、こんな時間を楽しめるとは、私もそれなりの年代になったというべきか。
オトナな女はお寺で絵になるのだ。